悪性腫瘍総論①
最近はコロナウイルスの流行のニュース一色ですね。
今回はまず、「がんとは」というテーマで書いてみます。勉強後のまとめという感じですが・・・。
がん(悪性腫瘍)
がん(悪性腫瘍)の概要
- 腫瘍のうち正常細胞べの浸潤、リンパ節・遠隔臓器への転移をきたし、生体に重篤な影響をもたらしうるものをがん(悪性腫瘍、悪性新生物)という。
疫学・好発 |
・年間85万人ががんと診断され、約37万人ががんで死亡 ・死亡率:男性:肺、胃、大腸 女性:大腸、肺、胃 |
原因・誘発 |
・遺伝的要因と環境要因(発がん物質、食事、生活習慣など)の組み合わせ ・発がん物質:喫煙、放射線、ウイルス、ピロリ菌等 |
病態生理 |
・正常細胞が遺伝子に変異で形質転換し、がん細胞となり自立性に増殖する ・正常細胞を生理的および解剖学的に傷害し、栄養や酸素を奪う |
症状・所見 |
・早期は無症状が多い ・進行で多彩な症状をきたすが、がんに特異的な症状はない ・局所症状:原発巣や転移巣での浸潤や圧迫による症状(疼痛、出血、臓器障害等) ・腫瘍随伴症候群:病巣から離れた臓器、多くは全身性に起こる症状⇒悪液質、貧血 |
検査・診断 |
・診断確定は病理診断による ・各種画像診断を行い病気(ステージ)決定を行う ・腫瘍マーカー:診断補助、治療判定補助、一部スクリーニングでの使用に留める |
治療・管理 |
死亡率と罹患率
死亡率
一定間に死亡した人数を対象とする集団の人口で割ったもの。通常、1年間の率を10万人もしくは千人あたりで算出する。年齢構成を考慮せず単純に算出したものを「粗死亡率」、年齢調整おこなったものを「連例調整死亡率」という。
一定期間中に新たに疾患を発症した人数を、対象となる人口で割ったもの。通常は10万人もしくは千人あたりで算出する。上記同様に「粗罹患率」「年齢調整罹患率」がある。
- 全ての臓器がんを合わせれば日本人の死因1位である。
- 早期発見や治療面の進歩で年齢調整死亡率は低下傾向である。
- ただし、高齢化に伴い、2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡している。
- 性別による死亡率・罹患率
男 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
死亡率 | 肺 | 胃 | 大腸 | 肝臓 | すい臓 |
罹患率 | 胃 | 大腸 | 肺 | 前立腺 | 肝 |
女 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
死亡率 | 大腸 | 肺 | 胃 | すい臓 | 乳房 |
罹患率 | 乳房 | 大腸 | 胃 | 肺 |
子 |
次は「がんの病態」について、書こうと思います。