パパ薬剤師の備忘録

あくまで自己学習の備忘録です。参考程度に見て頂ければと思います。内容については保証できませんのでご了承ください。

めにゅ~

放射線治療

 放射線療法

  • 放射線療法とは、がん細胞に放射線を照射し、がんを縮小・消失させる治療である。ただし、がん細胞だけに照射はできず正常細胞にも照射される。
  • 放射線は、細胞内の水分子と反応して活性酸素フリーラジカル)を発生させ、これがDNA障害することで細胞死が起こる

放射線感受性

根治照射

  • 放射線療法を根治目的で実施することである。単独や薬物療法と併用する場合(化学放射線療法)がある。
  • 感受性が高い部分では根治が期待しやすく、手術では侵襲が大きくなる部分や機能温存が重要な場合には有効である。

緩和照射(姑息照射)

    • 症状(骨転移による疼痛、脳転移による神経症状など)の改善を目的にに放射線療法を施工することである。
    • 感受性が低いがんでも、症状改善やQOL改善が得られる。
感受性 代表的ながん
高い 白血病悪性リンパ腫、胚細胞腫瘍(セミノーマ)
小細胞肺がん、扁平上皮がん
一部腺がん(乳房、子宮、前立腺、直腸など)
低い 大部分の腺がん(胃、肺、すい臓等)、悪性黒色腫、肉腫、神経膠芽腫 等

 

 放射線療法の副作用

  • 治療中から治療後早期に認められる早期副作用と、治療後6か月以降に現れる晩期副作用がある。どちらも正常細胞にも照射されてしまうことで起きる。照射した部位に限局的に現れる。ただし、例外的に全身副作用として、放射線宿酔(食欲不振、悪心・嘔吐、倦怠感)がある。
  • がん治療に利用できる一方で、発がん因子でもある。DNA損傷を受けながら死に至らなかった細胞が後にがん細胞となってしまう。
  • 一般的に総線量を何日かに分けて分割照射するが、これは放射線照射した正常細胞を回復させつつ、がん細胞への損傷を蓄積させるためである。
  • 正常細胞を避けて病変に放射線を集中させる方法として、定位放射線治療強度変調放射線治療がある。
  早期副作用 晩期副作用
組織 細胞の増殖が早い組織に発現しやすい。例:皮膚、粘膜、骨髄 増殖の遅い組織への損傷や血管損傷に関与している。
皮膚 皮膚炎、脱毛 皮膚潰瘍、萎縮、色素沈着
消化管 口内炎、食道炎、下痢 直腸出血、線維化による腸管閉塞、穿孔
骨髄 骨髄抑制 再生不良貧血、白血病
放射線肺炎(間質性肺炎 肺線維症
結膜炎、角膜炎 白内障角膜潰瘍
脳・脊椎 脳浮腫、脳圧亢進 脳壊死、脊髄症、認知機能低下
泌尿器 膀胱炎、腎炎 膀胱委縮、腎硬化
骨芽細胞減少 成長障害、骨折、骨壊死