DP ( DTX+PSL ) 療法
スケジュール
※制吐対策☞デキサメタゾン6.6mg IV(day1)。IVは静脈注射の意。
- 基本的にはPD(増悪)になるまで継続する。日本では明確な基準はない。
- 3週間ごと(PSLは連日服用)
基本事項
適応
転移性・去勢抵抗性前立腺がん
☞ホルモン治療に抵抗を示した前立腺がんをかつては”ホルモン不応性前立腺がん”と呼んでいた。しかし、最近では、血清テストステロン値が去勢レベルに達しているが抗アンドロゲン剤単独ではコントロールできない段階があり、この段階を去勢抵抗性前立腺がん(castration-resistant prostate cancer:CRPC)と呼んでいる。
奏効率
副作用
チェックポイント
- 前投与の確認☞制吐剤や過敏反応、浮腫予防薬の処方など
- 投与量の確認
DTX
治療開始前の好中球が2000/mm3未満の時、投与延期
T-bil>ULNで投与中止、AST,ALT>1.5×ULNかつALP>2.5×ULNで投与中止
※米国添付文書より - 点滴速度の確認
DTX
250ml以上の生食または5%ブドウ糖液に溶解し、1時間以上で点滴静注 - アルコール過敏症の確認
DTX(タキソテール)の添付溶解液にはエタノールが含まれている。アルコール過敏がある場合、添付溶液は使用せず生食かブドウ糖液に溶解すること。ただし、ほかの商品(ジェネリック含む)により、すでにアルコールで溶解されたものやアルコールを含有しない液体製剤などが販売されており確認が必要である。
副作用対策と指導ポイント
- アルコールに関する問診
自動車の運転などの危険を伴う機械の操作に従事させない。 - アレルギー確認
DTX投与後数分以内に起こることがあるので、開始後1時間は頻回に顔面紅潮、血圧、脈拍数、動悸などnモニタリングを行う。 - 浮腫
DTXの総投与量が350-400mg/m2以上で高くなることが報告されており、1回最大投与量は米国では100mg/m2に制限されることもある。アレルギーや浮腫予防にデキサメタゾン8~16㎎/日を前日から3日間投与する方法が行われている。 - 脱毛
通常、DTX投与2~3週間に発現し、治療中止半年以降に回復することを伝える。 - WBC減少
WBC減少(好中球減少)は用量規制因子であり、頻回に血液検査を行う。また、十分な感染予防(手洗い、うがい、マスクなど)を奨励する。 - 相互作用
アゾール系抗真菌薬(ミコナゾールなど)、エリスロマイシン、クラリスロマシン、シクロスポリン、ミダゾラムの併用でCYP3A4阻害、DTXとの競合により、DTXの血中濃度が上昇し、副作用が強く表れることが考えられる。