外科治療
外科療法(手術療法)
- 遠隔転移がなく、局所病変がすべて切除可能な場合に、がんの根治目的で行われる。(根治手術)
- 遠隔転移があるなど、手術による根治が目指せない進行度のがんに対しても、がんそのものの治療は目的とせず、消化管閉塞に対する手術や症状緩和、QOL改善を目的に手術を行うこともある(姑息的手術)。
- 根治手術は、①がん浸潤の臓器の切除 ②リンパ節郭清 ③再建 で構成される。
①肉眼的な範囲を超えて浸潤している可能性を考慮し、がん病巣を含め正常細胞部分も切除する。
②リンパ節に転移した(可能性のある)がん細胞を除くため、リンパ節郭清を行う(リンパ節1つ1つを切除するのではなく、血管、脂肪組織とともに一括切除する)
③臓器切除に伴い生理的な構造を破壊してしまうので、食事や便などの通り道等を作り直す(消化管、尿管などの管腔臓器の場合)。 - 手術は切除可能な限局した進行度のがんには効果の高い治療法であるが、微小転移による遠隔転移再発を防ぐことはできない。このため、放射線療法や薬物療法との適切な組み合わせ等が研究され実施されている。
※センチネルリンパ節
- がんがリンパ管を通じて最初に流れ着くリンパ節をセンチネルリンパ節という。ちなみに「センチネル」とは”見張り役”という意味である。
- まず、センチネルリンパ節を切除し生検し、ここに転移があるかを確認することで、不要なリンパ節郭清を避けることができる。
- センチネルリンパ節への転移がない場合、これ以降への転移の可能性は低いと思われ、郭清省略も検討できる。
- 2群まで郭清する場合をD2郭清と呼ぶ。
- センチネルリンパ節生検が臨床応用されているがんとして、乳がん、悪性黒色腫がある。